エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
でも、和服を着るという機会が激減し、おまけに緞帳もデジタル化した原画を生地に印刷しただけのものが増えてきて、職人技を発揮する機会が少なくなってしまった。
そのため、次第に会社の規模を縮小することを余儀なくされてきて、今や従業員は二十人ほどしかいない。
けれど、職人さんたちの知恵と技術を生かし、上質な洋服向けの布を積極的に制作するようになってからは経営状態も安定していたのに……父の突然の死。
父の顔で買ってもらっていた会社からはあっさりと手を引かれ、とりあえず社長に就任した今年五十五歳になる母も経営のノウハウなどなく、大学を卒業してから二年、事務を手伝ってきた私も然り。
だけど、どうしても峰岸織物の伝統と技術を絶えさせたくないと、営業の先頭に立って必死に踏ん張っている……もののうまくいかない。
今日これまでに訪問した四社は受付で追い返されてしまい、担当者に会うことすらできなかった。
そのため、次第に会社の規模を縮小することを余儀なくされてきて、今や従業員は二十人ほどしかいない。
けれど、職人さんたちの知恵と技術を生かし、上質な洋服向けの布を積極的に制作するようになってからは経営状態も安定していたのに……父の突然の死。
父の顔で買ってもらっていた会社からはあっさりと手を引かれ、とりあえず社長に就任した今年五十五歳になる母も経営のノウハウなどなく、大学を卒業してから二年、事務を手伝ってきた私も然り。
だけど、どうしても峰岸織物の伝統と技術を絶えさせたくないと、営業の先頭に立って必死に踏ん張っている……もののうまくいかない。
今日これまでに訪問した四社は受付で追い返されてしまい、担当者に会うことすらできなかった。