エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
それから二十分。
翔さんからも帰るコールがあり、夕食を温めながら待っていた。


「ただいま」
「おかえりなさい」


玄関まで出迎えに行くと、彼は私を抱き寄せキスを落とす。

毎日のことなのに照れてしまう私は、いつもうつむき加減になってしまう。


「そんなに恥ずかしがるなよ。ベッドの中ではあんなに色っぽい声を上げてるくせに」
「な、なに言って……」


私をからかう翔さんは、「はは」と笑いながら着替えに行ってしまった。

今日の夕食は彼の大好きなステーキだ。
だけどバランスを考えて、温野菜をたっぷり添えてある。


「おっ、今日もおいしそう」


仕事から帰ってきて夕食を準備するのは大変なときもあるけれど、彼の笑顔で全部帳消しになる。


「ワイン、飲みますよね?」
「うん。一杯だけ飲もうかな」


彼はそう言いながら席に着くと、なぜか微かに笑みを浮かべて私をまじまじと見つめる。
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