エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「どうかしました?」
「いや、幸せだなと思って。同じ屋根の下に愛する人がいて、おまけにこんなにおいしいご飯まで食べられる」


彼の言葉に心臓がドクンと音を立てる。

奈央にストレートな愛情表現をしてもらえていいなと言われたことがあったけど、その通りかもしれない。

彼の囁きは、いつも私を幸せにする。


「ありがとう、ございます」


だけど彼とは違い私は照れてしまうので、お礼を言うくらいしかできない。

翔さんが食べ進む様子を見ながら、私は口を開いた。


「さっき澪さんと話してたんですけど……」
「隣に行ってたのか? 仲良くなったな。互いのパートナーの愚痴大会?」


彼は私を茶化す。


「愚痴なんてひとつもないですよ。澪さんは幸せオーラがあふれてますし。翔さんこそ八坂さんと愚痴ですか?」


私が口を尖らせて尋ねると、「一緒だよ」と返される。


「一緒?」
「うん、惚気のオンパレード」
< 302 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop