エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「うん。ちょっと砂羽に協力してもらいたいことがあってね」
「なんでしょう?」
「今は内緒。でも、立っているだけでいいから」


立っているだけって……。それが協力?

なにがなんだかわからないけど、翔さんがステーキを口に入れ、再びおいしそうに食べだしたので、私も深く追及することなく同じように食べ始めた。



そして迎えた日曜日。翔さんの車に乗り込み、アルカンシエルへと向かった。

天気がいい今日は、気持ちも上がる。

ホテルの玄関に車を横付けすると、すぐにドアマンがドアを開けてくれる。
お嬢さま対応はまったく慣れなくてドギマギしてしまうものの、翔さんは颯爽としていてすぐに私をエスコートしてくれる。


「一ノ瀬さま、お待ちしておりました」
「今日はよろしくお願いします。弊社の溝口と広報はもう来ておりますか?」


翔さんは仕事のときのようにキリリと表情を引き締める。


「はい。ただいま打ち合わせ中です」
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