エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
秘書の溝口さん? 広報? 
私たちの前撮りになんの関係があるの?

不思議に思いつつ彼を見上げると「行こうか」と促されてしまった。


ホテルの人に案内されエレベーターで二階に上がる。
そこには衣装室とメイク室があった。

いよいよ翔さんの作ったドレスとご対面だ。
ちょっぴり緊張しながら、それでもワクワクは隠せない。
どうしても口元が緩んでしまう。


「こちらでございます」


案内されたブースには、なぜか白無垢が用意されている。

あれ、間違ってない?


「すぐに係の者が参りますので、少々お待ちください。一ノ瀬さまは、打ち合わせに参加されますよね。会議室にご案内します」


案内してくれたホテルの人がそう言うけれど、私は首を傾げるばかりだ。


「ありがとうございます。すぐに行きます」


翔さんは返事をして私に視線を送る。


「翔さん。これ、間違ってますよ、ね?」


どうして指摘しないの? 
それに打ち合わせって、なんのだろう。
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