エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
彼はニヤリと笑ったあと、熱い唇を重ねた。
しかもどんどん深くなる。

息が上がるほどの激しいキスからやっと解放され、頬を赤らめる。
すると彼は、私が望んだ通り強く抱きしめてくれた。


「はー、落ちつく」
「本当ですか?」
「あぁ。砂羽に触れていないとソワソワするんだ。今までのことが全部夢だったらどうしようと、時々怖くなる」


重人さんのことで家を飛び出したので、なおさらなのかもしれない。

彼は私の頭を抱えるようにして密着してくる。
だから私も彼の背中に手を回してしがみついた。


「私はここにいます」
「うん。幸せってさ、一度手にすると手放すのが怖くてたまらなくなるんだ。それ故臆病にもなるけど……俺は砂羽の幸せだけは絶対に壊したりしない。だから心配しなくていい」


彼の愛はいつだって伝わってくる。
それなら私も返したい。


「翔さん……。私も、翔さんを幸せにしたいです」


思いきってそう口にすると、彼の手に一層力がこもる。
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