エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
エピローグ
春の日差しが心地よく、晴天に恵まれたその日。
私たちはいよいよ挙式を迎えた。


「翔さん、忘れものないですか?」


リビングを出る前に、持ち物を確認しながら尋ねる。


「うん」


アタフタしている私とは対照的に、彼は落ち着いている。


「ですけど、もう一回確認したほうが……」
「砂羽、落ち着いて」


彼に言われてハッとした。私、朝からテンパりすぎだ。


「でも緊張するんです!」


それが本音。

だって彼のほうの招待客はそうそうたる顔ぶれで、お隣の八坂夫妻はもちろんのこと、いわゆる名の通った大企業の社長だったり御曹司だったり……。

おまけに彼の服を身に纏いファッション誌を飾っているモデルさんまでいる。


翔さんと結婚ということにならなければ、一生会うことすらないような人ばかりだからだ。


わかっていたことだけど、そんな人たちの前で粗相をしたら……と不安にもなるでしょう?
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