エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「そろそろ行こうか」
「そうですね」


私たちはタクシーに乗り込んだ。

ドレスはあらかじめホテルに届けられている。
実は今日が初めての対面だ。

サイズ確認のために、ドレス用の下着をつけた状態で別の布で作った仮のドレスを試着はしたが、本物はまだ見ていない。


デザイン画は見せてもらっているけれど、どんなふうに仕上がっているのか、興味津々だ。


「そういえば、ウエディング部門が早速大盛況で、注文をさばききれないとうれしい悲鳴を上げているみたいだよ」


狭い車内で密着して座る翔さんは、私を見つめ白い歯を見せる。


「へぇー、すごいんですね」


皆、翔さんのデザインを待ち望んでいたのかもしれない。


「他人事じゃないぞ。和装の注文も入ってるんだから、峰岸織物にもフル回転してもらわないと」
「はい。頑張ります」


ブランピュールはまだまだこれから伸びていくだろう。そして峰岸織物も。
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