エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「東横銀行か……」
彼はなぜかそこに引っかかったらしく、顔をしかめる。
「それで、不渡りを出さないためにはいくら必要なんだ?」
「とりあえず五百万。でも、またすぐに次の支払いが……」
「わかった。俺が出そう。一千万でいい?」
「えっ……」
一ノ瀬さんの言葉が一瞬理解できない。
絶対に断られると思っていたからだ。
「甘えられたじゃないか。ただ、土下座はやめてほしいけどね」
そんなことを言ったって、簡単に貸せる額じゃないことは承知の上だし、父と昔から付き合いのあった人ですら相手にしてもらえなかったのに。
つい最近出会い、話ができたばかりの人が了承してくれるとは思ってもいなかった。
「どうしたの? キョトンとして」
「す、すみません。断られることしか頭になかったので、びっくりして」
「あはは。いいねぇ、その素直な反応」
彼は肩を震わせ笑っているが、私は信じられなくていつまでもボーッとしていた。
彼はなぜかそこに引っかかったらしく、顔をしかめる。
「それで、不渡りを出さないためにはいくら必要なんだ?」
「とりあえず五百万。でも、またすぐに次の支払いが……」
「わかった。俺が出そう。一千万でいい?」
「えっ……」
一ノ瀬さんの言葉が一瞬理解できない。
絶対に断られると思っていたからだ。
「甘えられたじゃないか。ただ、土下座はやめてほしいけどね」
そんなことを言ったって、簡単に貸せる額じゃないことは承知の上だし、父と昔から付き合いのあった人ですら相手にしてもらえなかったのに。
つい最近出会い、話ができたばかりの人が了承してくれるとは思ってもいなかった。
「どうしたの? キョトンとして」
「す、すみません。断られることしか頭になかったので、びっくりして」
「あはは。いいねぇ、その素直な反応」
彼は肩を震わせ笑っているが、私は信じられなくていつまでもボーッとしていた。