エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
一ノ瀬さんの言う通りだ。
いや、私は平面のデザインどころか、一枚の布から女性をワクワクさせる作品への変化なので、胸が震えるほど感激している。


「本当にありがとうございます。なんとお礼を言ったらいいのか」


さっきまでのつらさなんて、一瞬で吹き飛んだ。

胸がいっぱいで瞳が潤んでくる。
でも、元気な私がいいと言ってくれたのだから、笑顔でいたい。


「いや、これは峰岸さんの情熱があったから生まれた作品だよ」
「とんでもありません」


一ノ瀬さんの素晴らしいデザインがあるからこそだ。

なんて素敵な人だろう。
優しくて才能があって、作品への熱い想いも持ち合わせていて……おまけに容姿も完璧。
非の打ち所がない人だ。


「それよりその足、どうかした? 引きずってるように見えたんだけど」


彼は目ざとく私の足の異変に気がついた。
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