エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「峰岸さんが頼ってくれないから、余計に心配になる。だから素直に甘えてくれないか?」
「ですけど!」
「口ごたえは許さない」


彼は怒ったような顔をして冷たく言い放ったが、次の瞬間、我慢しきれないといった様子で、プッと噴き出した。


「俺、一応そこそこの会社の社長だから。威厳を保たせておいてくれるとありがたい」


威厳って……社長という立場の人が、こうやって私を抱き上げているのが、そもそも間違っていると思う。
だけど、私に口ごたえをさせないのは、彼の優しさだ。


「……はい」
「落ちるぞ。俺の首に手を回してつかまって?」
「は、はい……」


彼の言う通りにしたものの、体が密着してしまい鼓動がうるさくて仕方ない。
恥ずかしさに頬を赤らめていると、彼は再び口を開いた。


「営業、まったく空振りなんじゃない?」


図星な指摘をされ、言葉に詰まる。
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