【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。






「ねぇ、心臓痛いでしょ。
 誰のせいだと思う?」


「……みあ、先輩」


「そーでしょ?
 これが俺の本気。
 もっと責めて、天沢ちゃんをドキドキさせてもいいけど。
 これ以上近づくと、恋愛初心者の天沢ちゃんはドキドキしすぎて壊れちゃいそうだから、やめとくね」


「……」


「俺って、やっさしー。」



そう言って、ミア先輩はドライヤーを私の前に置いて、ケラケラ笑いながら部屋から出ていってしまった。


どこが優しいんだ。

やらしいの間違えじゃないか。


またミア先輩相手に変に緊張してしまった。


変なことしようとするくせに
寸前でしないのは先輩のお決まりのパターンだって知っていたのに。


煽られた緊張感に、ドキドキしない方がおかしいって。



「あーもう!!これ以上ドキドキさせないでよバカー!!」


マンションのお隣さんに、その叫び声が届いてないか、大声を出した後に不安になったけど。


多分雨の音でかき消されたよね……?





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