【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「天沢ちゃん、短いのにいつも髪、2つに縛ってるから。下ろしたままの髪ってなんか新鮮だね。
これはこれでいいかも」
「みっ、ミア先輩こそ……」
「ん?」
気づかない振りしてたけど。
いつもセンター分けされてる先輩の前髪が、風呂上がりのせいか下ろされていて。
いつもはこう、色っぽいのに。
前髪を下ろすと、ちょっと幼く見えて、それでも纏わりついた色気はそう簡単には消えてない。
「先輩って、その顔だもん。
立ってるだけで女の人寄ってきそう」
「なに急に、俺なんか褒めて。
なんか悪いことでも企んでる?」
「ううん……違う。
先輩なんかタイプじゃないのに」
「あのさ、なに急に喧嘩まで売ってきてんの?
それ買えば天沢ちゃん手に入れることできんの」
「先輩ちょっと黙ってて」
「……はあ?
さっきから会話成り立ってないんだけど。」