【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
ミア先輩にはいつもドキドキさせられるけど。
今日のドキドキはひと味違う。
なんか、胸の奥がギュッと痛くなる感覚。
なんだこれ。
先輩の顔見ると、痛くなるんだよね。
もしかして私……先輩アレルギーなんじゃ?
濡れた髪を乾かしてくれた先輩が、カチッとドライヤーの電源を切った。
すると、私の背後にいる先輩の顔を見れないのをいいことに。
ツゥーっと、うなじを人差し指の腹でなぞってきた。
「ひっ……!!」
ビクッと震えて、肩をすくめた瞬間。
急に体の力が抜けていき、目の前のベッドに倒れる。
先輩は今、すっごく意地悪な顔をしてると思う。
だって獲物自らが、罠にかかったんだから。