【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ねえ、天沢ちゃん。
どんな理由であれ、敵に背中を見せるなんてよくないんじゃない」
ーーギシッと、先輩がベッドの上にあがってきた瞬間、波打つように浮いたシーツのシワは危険な赤信号みたい。
泳ぐように、ベッドの上を逃げ回ると。
ミア先輩が私の後頭部を鷲掴みにした。
そのせいで、身動きできない私の体に、そのまま覆被さる敵は。
私の逃げ道を、塞いだ。
泳げないから溺れて
溺れてるから息ができない。
ベッドの上はまるで深海みたい。
その深海に引きずりこんだのは
紛れもない、ーーミア先輩なんだけど。
「男女がベッドの上でやることと言ったら……なんでしょう」
「……っ、知らないよそんなの!」
「知ってるくせに。
その証拠に顔は赤いのはなぜ?」
「……変態」
「ほら、答えでてんじゃん」