【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
ーードンッと、ミア先輩から逃げられないよう両手で壁ドンされた。
ミア先輩の背中で遮られた太陽。
完全に呑まれた、先輩の影に。
「みっ、ミア先輩落ち着いて」
「俺は落ち着いてるよー、この場で天沢ちゃんをめちゃくちゃにしてもいいくらいには。」
「いや、それって全然落ち着いてませんから!」
「まーたそういう可愛げないこと言う。
いい加減落ちろよ、天沢ちゃん」
逸らせない目が、どんどん近づいてくる。
なんでこんなにドキドキしなきゃならないんだ。
私だってさ、ミア先輩のこと……。
ん……?ミア先輩のこと……ってなに。
私いまその続き、なにを考えようとした?
ありえない、やめてよ、冗談じゃない。
私だってミア先輩のことドキドキさせたいなんて
考えてしまうなんて。
ほんと、洒落になんない。
ミア先輩の顔が近づいてきて、先輩にキスされそうになった。
ゼロ距離になる前に、すかさず先輩の洋服が入っている袋を盾にし、先輩の口に押し付ける。
ミア先輩は驚いて、一瞬目を見開くけど。
すぐに私から離れて、指の第二間接を唇につけながら、クククとおかしそうに笑っている。