【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「……まさかキス拒まれる日が来るとは……。
やるねー天沢ちゃん、そういうとこ大好き」
「かっ、からかわないでください!!
ていうか私の初キスを奪おうだなんて、先輩ってばほんっと最低!!」
「初めてだから奪いたいんじゃん。
男心分かってないねー天沢ちゃん。
男のこと1から勉強したら?
もちろん俺が教えてあげるよ」
「い……いい!!そんなの知りたくないしっ!」
「照れてんの?可愛い奴め~」
手首を掴まれ、無理矢理抱き寄せてくる先輩は、わしゃわしゃと私の髪を撫でてくる。
なんでこの人ってば、どうしてこうも自由なんだろう。
私の気持ちは完全無視かい!!
「てか、先輩プール掃除だったんじゃないんですか!?」
ジタバタと暴れて、なんとか先輩の腕から逃れる。
先輩は数秒黙り始めたけど、「ああ」とすぐに反応した。
「掃除サボろうと思って、体育館裏の金網越えて逃げようと思ったんだけど」
「……」
「そうだ、なんなら一緒に掃除しに行こっか天沢ちゃん」
「はいー!?なんで私がっ」
「俺と一緒にいられる時間が長くなってよかったね」
「ねえ!まだ"やる"なんて一言もいってないんですけど!?」
「だーかーらー。いつだって天沢ちゃんに拒否権なんかないんだから」
"いい加減諦めな"