【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。






「……まさかキス拒まれる日が来るとは……。
 やるねー天沢ちゃん、そういうとこ大好き」


「かっ、からかわないでください!!
 ていうか私の初キスを奪おうだなんて、先輩ってばほんっと最低!!」


「初めてだから奪いたいんじゃん。
 男心分かってないねー天沢ちゃん。
 男のこと1から勉強したら?
 もちろん俺が教えてあげるよ」


「い……いい!!そんなの知りたくないしっ!」


「照れてんの?可愛い奴め~」



手首を掴まれ、無理矢理抱き寄せてくる先輩は、わしゃわしゃと私の髪を撫でてくる。


なんでこの人ってば、どうしてこうも自由なんだろう。


私の気持ちは完全無視かい!!



「てか、先輩プール掃除だったんじゃないんですか!?」


ジタバタと暴れて、なんとか先輩の腕から逃れる。


先輩は数秒黙り始めたけど、「ああ」とすぐに反応した。



「掃除サボろうと思って、体育館裏の金網(かなあみ)越えて逃げようと思ったんだけど」


「……」


「そうだ、なんなら一緒に掃除しに行こっか天沢ちゃん」


「はいー!?なんで私がっ」


「俺と一緒にいられる時間が長くなってよかったね」


「ねえ!まだ"やる"なんて一言もいってないんですけど!?」


「だーかーらー。いつだって天沢ちゃんに拒否権なんかないんだから」




"いい加減諦めな"








< 118 / 309 >

この作品をシェア

pagetop