【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「な、んで……キスなんか」
息切れするまで、水の中にいたせいで、呼吸が乱れているのに。
早まる鼓動は、息を止めていたせいなのか
それともミア先輩のキスのせいなのか、どっちかなんて分からない。
でも1つだけ分かることは。
嫌じゃない……嫌じゃなかった。
それでも初めてのキスが、恋人でもないミア先輩に奪われるなんて。
それってなんだか変だよ。
苦しい、苦しい。
水の中で溺れていた方がずっとマシだ。
なのに先輩は、濡れている自分の唇を親指の腹で拭って。
「覚悟しろよって、この前言ったよね」
低い声で、罪の意識も感じずに言った。