【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
◇
「ねえー、最近ミア先輩現れないけど。
喧嘩でもしちゃったの?」
「んー」
「『んー』じゃないでしょ」
「んー」
「ちゃんと答えてよ……!
こっちがモヤモヤしてくるじゃん!!」
すごい勢いでまい実ちゃんに、肩を揺さぶられる。
そのせいで座っているイスがガタガタと、私と一緒に軽く左右に揺れるけど、今はそれどころじゃないほど何も考えられない。
ボーッとしてる私に「駄目だこりゃ」と、まい実ちゃんは退散。
自分の席に戻っていった。
ミア先輩のせいで
待ち遠しいはずのお弁当の時間も、もうすぐやってくる夏休みだって。
全然わくわくしない。
できるはずもない。
キスしてきた先輩が悪いのに。
なんで私がこんな……罪悪感抱かなきゃならないんだろう。