【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。







そんな風に言われたら、怖くなってくるに決まってるじゃん。


まい実ちゃんの意地悪め~~!


けど、私みたいな平凡女が、先輩のファンに認めてもらえるほどの魅力なんかないから。


これから始まる先輩とのお付き合いを邪魔されないよう
仕方がないから、付き合っていることを隠すことにした。


そう決めて、次の休み時間になると。
早速ミア先輩の口止めをしに、二年生の教室の前を行ったりきたりを繰り返していたら。


ーーガラッと開く引き戸。


中からはミア先輩が出てきた。




「なーにまたここで、うろちょろしてんの?
 斉藤でも呼んでほしいの?」


今日会えたのは初めてなのに
早速意地悪なことを言う先輩にムッとする。



「それっていつの話してるんですか」


「冗談に決まってるじゃん。
 本当に斉藤呼んでほしいなんて言われたら、俺天沢ちゃんに今この場でヒドイことしちゃうかも?」


「って言って、先輩いつもからかうだけからかって、ひどいことは絶対にしないくせに~!」



あはは、と笑う私を見て
急に真顔になるミア先輩。



「したじゃん、ひどいこと」


「……へっ?」


「もう一回してほしいの?」


「……なにがですか?」


「キス」


「ーーッ!?」





< 163 / 309 >

この作品をシェア

pagetop