【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
階段の2段目に腰を降ろすと、先輩も隣に座る。
なんて言おうか考えていたら、ミア先輩が顔を覗き込んできて、髪が乱れるのもお構いなしに頭をわしゃわしゃ撫でてきた。
「どうした、元気ないじゃん。
まだ足痛むの?」
「ううん……先輩がすぐに手当てしてくれたおかげで、1日で痛み引いたよ?」
さすがにまだテーピングは外せないけど。
歩くのには支障ない。
「それじゃあ……俺と付き合ったこと早速後悔してんの?」
先輩が全く思ってもないことを言ってきたから、驚きすぎて目が飛び出してしまいそうになる。
「ちがっ……、逆に嬉しすぎて今日1日ずっとニヤついてますよ!!」
それなのに、先輩全然私の前に姿現さないし……。
浮かれてるのは私みたいだけみたいで
それって私だけが好きみたいじゃん……。
ミア先輩の心が読めたらいいのに。
そしたらちゃんと、私のこと好きか確認できるのに。
私ミア先輩のこと、まだなんにも知らないよ。
知らないから、知りたいって思うよ?
両思いだからこそ、知っていきたいって思ってる。
ただの欲張りなの。
知りたいんじゃなくて、独り占めしたいだけなのかも。