【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
……先輩ってあれじゃん。
ただ私をからかいたいだけじゃん。
そういうとこムカつくけど。
そういうとこにハマってる。
でも。
「あっ、あのさ先輩」
「ん?」
何度見てもかっこいいその顔を直視すれば
すぐに現実に引き戻されてしまう。
正直、私はミア先輩に釣り合ってない。
先輩は綺麗な顔してるし、色気あるし、学校にファンまでいるし、性格最悪だけど優しい時は優しいし……。
そんな先輩がなんで私なんかを選んだんだろうって、今さらマイナス思考になってしまう。
まい実ちゃんに言われて気がついた。
先輩のことを好きな人はたくさんいて。
その中にはもちろん、先輩と釣り合うような可愛い子や綺麗な人がたくさんいる。
片想いの時は、先輩しか気にならなかったのに。
両思いになった途端、先輩の周りの方が気になっちゃう。
だから、自分に自信がない私は、その自信のなさを隠さないと……先輩と上手く付き合っていける気がしないから。