【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
そんなこんなで、ミア先輩のファンにバレずに数日が経ち。
「それじゃあ皆、夏休み明けには元気な顔を見せるんだぞ?解散!!」
担任の声で、クラスが沸き立つ。
やってきた夏休みに、隣のクラスも興奮を隠せないみたいで、ガヤガヤと人の声とイスを引く音が聞こえてくる。
教室から一歩出れば夏休みだ!!
嬉しくて顔が歪む。
「1、2、さーん」
口にしたカウントダウン。
3の合図でぴょーんっとウサギみたいに跳ねながら、教室から出ると。
「嬉しそうじゃん、天沢ちゃん」
私の教室のドアの横で、もたれかかっている先輩が、そんなことを言う。
まぬけなところを見られて顔に熱が集中し始めた。
「なっ、なんでミア先輩がここに!?」
「迎えきただけなのに、まあまあ面白いことするから、天沢ちゃんって見てて飽きないよね。
いいもん見れたわ」
「忘れてくださいよ!」
「なんで?高校一年生、初めての夏休みに舞い上がってる天沢ちゃんを忘れろって?」
「だから~!!わざわざ口に出さないでください!!」