【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。








次の日。


お昼の2時ぐらいに家を出て、夏休みのせいで、いつもより賑わっている街まで来た。


まい実ちゃんも一緒に水着選びしてくれる予定だったけど。
まい実ちゃんにはお兄ちゃんがいて、そのお兄ちゃんが夏風邪を引いてしまったらしく……。

ミア先輩とのデートが近い私に気遣って、今日は行けないとのこと。


まい実ちゃんセンスいいから、水着のアドバイスしてほしかったけど……こればっかりはしょうがないか。



ふと、夏の太陽の光に目を細めながら、上を向くと。

街のいたるところにある、大型ビジョン。



そのビジョンに映し出された水着姿のお姉さんがあまりにも可愛くて見惚れていると。



「へぇー、天沢ちゃんは"ああいう"可愛い水着が好みなんだ?」


耳のすぐ後ろで誰かに囁かれ、反射的に後ろを振り返る。


言わなくてもわかる声の主は、ミア先輩だった。





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