【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「みっ、ミア先輩……なんでここに!?」
「なんでって、友達と遊びに来てるだけだけど」
流れる様な先輩の目線の先には、友達らしき人が4人。ガヤガヤと楽しそうに喋っている。
「そんなことより、天沢ちゃんはこんなところでなにしてんの?」
「明日の準備……です」
「あー、明日海だもんね。
それでビジョンに映る水着の広告に釘付けになってたわけか」
うっ……なんでもミア先輩にはお見通しってわけですか。
海なんて全然行かないから。
学校用の水着しか持ってないこと言うの恥ずかしくて、先輩を誘わずに水着買いにきたのに。
でもまだ水着持ってないことバレてないし。
先輩も友達と遊んでるみたいだから、すぐにバイバイできるよね……?
「なあ、俺後輩ちゃんとちょっと遊んでくるわ」
ミア先輩はガヤガヤしている街の中で、声を掻き消されないよう大きな声で友達に向かって言った。
オシャレな集団は「おー、また後で合流な。」と軽い返事をし、人ゴミに紛れ込んで去っていく。