【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
そんな私の乙女心を分かってくれない先輩は、私を疑うような目で見てきた。
「天沢ちゃんさ……なにをそんな必死に隠してるの?」
「へっ……?」
「そんな慌てて。まさか早速浮気でもしてんの?」
「なっ……!?そんなこと私がするわけっ」
「ないよなー?、じゃあ来いよ。
ほんとに浮気してないか確かめる」
ーーグイッと勢いよく先輩に手首を引っ張られ。
人ゴミを上手く避けながら、一直線へと進んでいく。
高いビルが太陽を隠している。
その薄暗さがより濃くなる、ビルとビルの間に連れてこられると
ザワザワとうるさかった辺りは、急に静まり返る。
私を壁に追い込むミア先輩が
ーードンッと容赦なく壁ドンしてくるから、サァーと血の気が引いてきた。