【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。







先輩を好きになったあの日ことは、目を瞑ってしまえば、瞼の裏に映し出される。



あれは確か、(さかのぼ)ること、三週間前。


まだ指で数えられるくらいしか着ていない制服で、学校内をあてもなくウロついていると。


たまたま通りかかった2年生の教室の前で、引き戸の窓から先輩の姿を見かけた。


先輩は黒髪の短髪で、友達に囲まれながら机の上に座り、白い歯を見せながら笑っていた。


ーーかっこいい。



短髪好きな私、しかもプラス目が大きい犬顔が好きな私の好みドストライクな先輩は。


私の恋心にカッキーンとホームランを決めた。



そして何の接点も発展もなく、とりあえず思いを伝えたくて……今に至る。







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