【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「つか、いつまで居るつもり?
さっさと友達のとこ戻れよ」
私の肩を抱き寄せながら、優愛さんに見せつける先輩は、元カノにだって容赦ない。
「……っ」と、顔を歪める優愛さん。
ようやく諦めがついたのか
振り返って、優愛さんが一歩足を出した時。
もう一度くびれを曲げて、私を見る優愛さん。
「詩ちゃん、ナンパから助けてくれたこと、本当に感謝してるから」
「……」
「それだけは本当だから。
邪魔してごめんね」
それだけ言って、優愛さんは去っていった。
……なんだ普通にいい人じゃん。
ていうか。
「やっぱり元カノだったんだ……」
先輩に彼女がいたなんて、地味にショック。
しかもあんな美人。
そりゃあミア先輩みたいなカッコいい人に、彼女がいたことない方が、ありえないもんね。