【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「嫌がってるって分かってて、なんで乗せるんですかっ!」
『だって、強がる天沢ちゃん可愛かったし。
それに気分悪くなったら、ちゃんと看病はしたでしょ?』
「そりゃあ……それは確かに有り難かったですけど」
『俺の太ももの上で死んでる天沢ちゃんの寝顔も可愛かったから。
それだけで乗ってよかったなって思うよ、ジェットコースター』
よし、もうこの人の前で、無理はしないでおこう。
絶対私が損する。
先輩ほんと、彼女の私にも容赦ないんだよなあ~。
「意地悪」
ボソッと小さな声で呟いても、口のすぐ近くにある携帯は、その声を拾ってしまっていて。
『聞こえてるよ。隠す気ないでしょ、天沢ちゃん』
柔らかいのに棒読みな先輩の声に、ゾッとして。すぐに言って後悔するのがいつものオチ。
「うそ、先輩は世界一優しいです」
『いつからそんな、嘘つく悪い子になったんだろうな、天沢は。』
「ごめんなさい」