【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
思い出を語っていたら、ふと目に入る時計の針は、夜中を指していて。
『明日早いし。そろそろ寝よっか』
なんて。
甘い声の先輩に言われちゃ、瞼がウトウトと眠気に誘われる。
『早く起きて、明日はちゃんと学校来るんだよ?天沢ちゃん』
「もうっ、子供扱いしないでください……!」
『そうやって言い返すところ、子供っぽい』
電話越しの、先輩の笑い声は。クスクスがいつもより響いていて、くすぐったい。
夏休み終わっちゃうのは寂しいけど。
また制服姿の先輩に会えるのは、少し楽しみだ。
『おやすみ、天沢』
その声が電話を切ったとき。
睡魔に襲われて、すぐに眠れた。
夢なんか見る暇もないほどの、安眠だよ。