【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
私だって、同罪だから。
私は先輩の彼女なのに、それを先輩のファンに言えてない。
隠れて付き合うなんて
そんなの先輩を本気で好きなあの人達に、めちゃくちゃ失礼なことだと思う。
あの人達は先輩は誰とも付き合ってないって思ってるから
夢を見れているんだよ?
それなのに。
実際は私と付き合っていて、私はその夢を壊してる。
臆病な私に、あの人達は巻き込まれているんだ。
「ミア先輩は……もうちょっと自分が誰かに好かれてること、自覚した方がいいと思います」
「なにそれ、俺のせい」
「違います!そう言いたいんじゃ……」
ないのに。
喧嘩になる一歩手前で
こんな時だけ空気を読む田中先生は、ミア先輩の背中をグイグイと押して。
「お前ら喧嘩するなよな~!
ほら、教室戻った」
先生らしいこと言って、止めにはいるから。
やっぱり全然空気読んでくれない。