【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「詩ちゃん見てると、美秋から"可愛い後輩"として扱われてる感じがするし。
美秋は多分、まだ私のこと好きだよ」
「……」
「好きだから、辛いから。振られたことが悔しくて。
早く私を忘れたくて、あんな冷たい態度とってるんだと思う。」
その考え、さっき私が思ってたことと一緒だ。
でもさ、その考えがもし本当だとしたら。
忘れたがってるミア先輩の前に、現れないでよって思っちゃう。
自分から振ったくせに。
さすがに自分勝手すぎるんじゃないかって思っちゃうよ。
「そろそろ私、行くね」
っと、優愛さんが席を立ち、一歩足を前に出すけど
急にピタリと止まり、振り返る。
「あ、そうそう。
私明日、美秋に告白するから」
すました顔で言う優愛さんに驚いて、言葉がでてこない。
「どんな結果になるか楽しみだね」
「……」
「私をとるか、それとも詩ちゃんをとるか。
ぜんぶ美秋次第だから。」
「……」
「あっ、それと。
ナンパから助けてもらった時のお礼に、今日は私の奢りってことで。
時間とらせちゃってごめんね」
サッと風の様に、鞄から財布を取り出して、私の分までお会計をし、優愛さんはお店から出ていってしまった。