【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
言われっぱなしなんて、嫌だ。
ミア先輩の今の彼女は私だもん。
美人だからなんだって話だ。
ーーガタッとイスから立ち上がって、まだ遠くへは行ってないであろう優愛さんの元まで走ろうとした。
けど。
お店から出て、辺りを見渡しても、通りすぎていく人達は全員同じに見えるし、優愛さんの姿はどこにもない。
「~~っ!!」
彼女の意地ってやつ、見せることができなかった。
それが悔しくて、地団駄を踏む。
明日告白するって優愛さん言ってたけど。
本気に違いない。
違いないから、怖いけど。
思いを伝えようとしている相手の邪魔をする権利は
彼女の私にだってないと思うから。
ここはミア先輩を信じるしかない……。
「先輩が好きなのは、私だけだもん」
嫉妬を口に出しながら、家へと歩く帰り道は。
先輩が隣にいないだけで、とっても寂しかった。