【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「……さて、どうやって呼び出そう」
やっぱりいつ通っても、二年生の教室の前は
後輩が来にくい不穏な空気が漂っている。
スカートのポケットにしまっていたスマホを取り出す。
多分、きっと。
電話してみても、先輩はとらないと思う。
けど、するだけしてみようと、携帯の画面をタップしようとしたとき。
ーーガラッと勢いよく、4歩前にある二年生の教室の引き戸が開く。
「なに、あんた。なんの用?」
教室から出てきたのは、ミア先輩のファンだった。
しかもこの前私をトイレに連れ込んだ、ポニーテールの人。
この人は確か、ミア先輩と同じ教室じゃなかったはず……なのに。
休み時間に友達に会いに来ていたのかな?
いや、ミア先輩見に来るついでに、友達とお喋りでもしてたに違いないよ。