【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「行こうか、天沢ちゃん」とミア先輩に引っ張られ、足が動き出す。
立ち尽くす優愛さんを見て声を掛けようと思ったけど。
「あいつに同情する必要なんてないから。」
私の気持ちを察したのか。
私を引っ張り、ミア先輩が眉間にシワを寄せながらそう言った。
「どうして……?」
「俺とあいつが別れた理由。
あいつの浮気だったんだよ」
「えっ!?」
驚きの真実に
思わず大きな声で叫んでしまった。
「浮気って、優愛さんが?」
「そう。
しかも相手は中学の時の俺の親友。
今となって気づいたけど……そいつは安藤のことが好きで、安藤もそいつの気持ち分かってて利用したんだ」
「……」
「別に俺は安藤のこと好きじゃなかったから、傷つかなかったけど。
仮にも当時恋人だった俺にあいつなんて言ったと思う?」
「……寂しかったから、とか?」
「違う。
『美秋は優しくないし、つまんないから。私のこと愛してくれる人に乗り換えるのは、仕方がないことだよね』って平然と言いやがった」
「……わお」
優愛さん。
綺麗な顔して、怖すぎる。
しかも思春期真っ只中で、今よりもきっと怖いであろうミア先輩に。
よく平気でそんな事が言えたよね……。
強すぎじゃない?優愛さん。
ゲームでいったらラスボスの位置にいる人物だよ。