【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
色気ある流し目で、そんなこと言われちゃ、どう反応していいのか分からない。
握りしめていたことさえ忘れていた、まい実ちゃんから借りたサングラスを照れ隠しで掛ける。
すると、ミア先輩がきょとんとした顔を一瞬見せるけど、すぐに口角を上げ、笑い声を唇の隙間から漏らす。
「このタイミングでサングラス掛けるなんて、やっぱバカだよね天沢ちゃん。
バカすぎて愛くるしいよ」
「なっ、なんとでも言ってください」
「ふーん……てか、もう暗くなってるのに、サングラス掛けてたら、周り見えないんじゃない?
歩ける?」
「あっ、ほんとだ、真っ暗だ。」
顔に熱が集中している。
そのせいで鏡を見なくても、きっと赤くなってるに違いないよ。
だけど暗いなら、赤くなってることバレないと思い。
掛けたサングラスをすぐに外す。
ーーと。