【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。







「この子いじめていいのは、俺だけだよ」 
 

「……」


「ねっ?天沢ちゃん」



顔を覗き込みながら、聞いてくるミア先輩に、なんて反応していいか分からない。


ていうか。



「勝手に決めないでくださいよ……私ミア先輩にも、誰にだっていじめられたくないし」


「えー、普通はさこの状況でこんなこと言われたら、キュンとくるのが少女漫画の鉄則(てっそく)なんじゃないのー?」


「私は少女漫画の主人公じゃありませんから……」


「じゃあ一瞬だけでもヒロインになってみる?」


「え」



ミア先輩は恥ずかしげもなく、ドラマのような台詞を言うと。


ヌッと前のめりになって、机越しに斉藤先輩の顔に自分の顔を近づけた。


斉藤先輩は驚いて声が出ないみたい。


ミア先輩はそんなのお構いなしに
少しでも動くと、斉藤先輩の目にささってしまうギリギリのところで差し出した手を止めた。




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