【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
あははとミア先輩が笑いながら破ったラブレターは、桜吹雪の様にヒラヒラと床に落ちていく。
ミア先輩は「じゃ、後片付けよろしく」なんて言って、私を強引に引っ張って教室から出た。
教室から出るときに引き戸の隙間から見えた、斉藤先輩のポカーンとした顔は、多分一生忘れられないと思う。
さよなら、私の恋。
短い間だったけど、叶わなかったけど……ある意味思い出にはなったよ。
◇
「ミア先輩ってほんっと勝手なんだから!!」
玄関まで連れてこられて、靴を履き替えてるミア先輩の横でご立腹な私。
そりゃあ助けてもらって、ここは「ありがとう」って言うべきなんだろうけど……。
だからといってラブレターを破るなんて行為を許していいはずがない。