【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ネクタイってさ、緩めたくならない?」
朝、学校に行く前に買った、ストロー付きのいちごミルクを飲みながら、行儀悪く廊下を歩いていると。
朝が苦手そうなミア先輩が、ボーッとしながら前からやってきて。
顔を合わせた途端、意味不明な事を言ってきた。
「なに言ってるんですか先輩」
ベコンと、中身を飲み干してしまったせいでピンク色のパックが潰れる。
そんな私を見て何を思ったのか。
ミア先輩が私の、タータンチェック柄のネクタイを緩めようとしてくるから大変だ。
「ちょ、ミア先輩なにするんですかっ!」
「いやー、後輩ちゃんのネクタイってなんか可愛いなって。
初々しく見えて、それがまたいい」
「ミア先輩……それってセクハラですよ」
「こんなに顔いいのに、許してくれないんだ」
「関係ありませんからっ!!」