【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
ダメだ、ミア先輩相手だとツッコミが追いつかないや。
朝からミア先輩のペースに巻き込まれたくなくて、自分の教室に戻ろうとすると。
ーーグイッと後ろから勢いよく引っ張られて。
なぜか私はミア先輩の腕の中。
「ふがっ!!」
怒られると分かっていたミア先輩は、先手必勝だと、自分の腹筋近くに私の顔を押し付け、喋らせないようにしている。
「やっぱこの前も思ったけどさー。
天沢ちゃんって子供体温でいい感じ。
すぐ眠れそう」
「んー!!」
「天沢ちゃんが枕代わりになってくれたら、俺の寝不足も解消されそうなんだけどな」
「ぷはっ……!!」
ミア先輩が力を緩め、私をその腕から解放してくれたおかげでやっと息が出来る。
ゲホゲホと蒸せた。
そんな私を見てケラケラと他人事の様に笑うミア先輩はやっぱり悪魔だ。