【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
甘い言葉に、視界のすべてがチカチカする。
ずるいよミア先輩。
ときめきがほしいなんて言葉、もう言えないじゃん。
だってこんなに近くにあるときめきに、気づかない振りしていたのに。
そんな嫌でもドキドキしちゃうような言葉言われたら、ときめかずにはいられない。
「みっ、ミア先輩のくせに……なんか色々とズルいよ」
顔が甘さで歪む。
ときめきを吐き出さないように、口を押さえていると。
ミア先輩は優しい顔で笑っていた。
下の方から階段を上がってくる、足音が聞こえてくる。
それなのに、先輩は私を見つめたまま、黙って何も言ってこないから。
足音なんて気にしてる暇もないくらい。
すべての意識が先輩に向いた。