【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
呆れて頬杖をついている先輩を無視して、1人で盛り上がる。
なんとでも言ってくれミア先輩。
それでも私は信じる……っ!
いつか出来る……であろう恋人とネクタイ交換して、それから、それから……。
「って……なに私のネクタイ、また緩めてるんですかー!?」
油断していたら、朝と同じ。また私のネクタイを緩め始めるミア先輩。
その綺麗な指が、たまに鎖骨に触れるから。恥ずかしすぎて死んでしまいそうだ。
「だから言ったじゃん、後輩ちゃんのネクタイは初々しくて可愛いって」
「それと今の話、なんの関係があるんですか!」
「どっちもネクタイ関連じゃん。
俺は脱がしたい。天沢ちゃんは交換したい。
ほら一緒」
「どこがだっ!!」
ミア先輩の手を払って、緩んだネクタイをきつく締める。
ダメだ、もうミア先輩の自由さにはついていけない。
予鈴が鳴りそうなのを言い訳に、私はミア先輩を置いて、自分の教室に戻った。