【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ねぇー!俺タカシ!!」
誰だよ、タカシ。
そう言いたい気持ちを呑みこむ。
コーラの入っているコップ片手に、馴れ馴れしく隣に座ってきたタカシに、とりあえず愛想笑い。
「なんかつまんなそーじゃーん。
合コンは初めて?」
「う、うん」
「そっかー、俺も」
嘘つけ。
そう言ってしまいたい気持ちを圧し殺す。
タカシの肌は日に焼けていて、綺麗な小麦色の肌は金髪を目立たせていた。
ミア先輩とは、また違ったチャラい雰囲気だなって思った。
「名前なんて言うの?」
「天沢詩っていいます」
「へぇー可愛い!
詩って呼んでいい?」
「別にいいけど……」
なんかモヤっとする。
すぐ近くにいるミア先輩でさえ、私のこと苗字で呼ぶのに。
初対面の男の子に下の名前呼ばれるなんて。
なんか……やだな。