【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ちょっとミア~、こんな子達放っておいて、早く部屋戻ろうよ~」
今さっきミア先輩に払い除けられたのも気にせず、ガンガンと責める女の先輩は、また後ろからミア先輩に抱きつく。
ミア先輩は、黒目を端に寄せ。
「つか誰お前。今それどころじゃないんだよ、見てわかんない?」
とても冷たい言葉を放った。
女の人は「はあ!?」と1度は怒りを見せたけど、ミア先輩に嫌われたくない気持ちが勝ったのか。
すぐに黙って部屋に戻っていく。
恐るべしミア先輩。
あんな美人相手でも容赦ないなんて。
かっこいいっていうか、ひどいっていうか。
それより今は私の方がピンチだ。
ただでさえ怒っているミア先輩の機嫌を、もっと悪くさせた女の先輩のせいで。
私は眉間にシワを寄せている先輩に、顔を逸らさせない様、顎を掴まれているから大変だ。
すっごく、怖い。
いつもみたいに言い返せない。