【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
◇
「天沢ちゃーん、放課後デートしよ」
放課後、机の引き出しに入ってる教科書を鞄に詰め込んでいると。
先生が教室から出ていって、すれ違う様に1年生の教室を我が物顔で入ってきたミア先輩がおかしなことを言う。
「ヤですよ。私先輩のファンに目つけられて、今日一日中怯えながら教室に居たんですからねっ!」
「でもなにもなかったでしょ?
俺のファンって従順だから、俺の嫌がることしないの」
そういう事が言いたいんじゃないのに。
得意気な先輩に呆れて、ため息を吐き、帰ろうと席を立つけど。
ーーグイッとネクタイを引っ張られて、体が先輩にくっついてしまいそうになると同時に。
私の身長に合わせて屈んでる先輩の顔に近づく。
綺麗な顔したミア先輩のドアップは、相変わらず慣れるもんじゃない。