【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
じりじりとミア先輩に、部屋の隅に追い詰められた。
壁に背中がくっつくと、力が抜けてきてへにゃへにゃとその場に座り込む。
ミア先輩の白い肌をツゥー……となぞる水滴が、なんだかイヤらしくて目のやり場に困った。
「天沢ちゃん」
甘い声。
揺すぶられた心臓は、彼の手によって掴まれ、一瞬動きを止める。
ねえ、駄目だ。
頭のなか真っ白なはずなのに。
目に映るミア先輩にすべてを支配された気になってる。
しゃがみ込んだミア先輩が、私の前髪を上げて、おでこを触ってきた。
ひんやりとしたその手に、なにか危ないことされるんじゃないかって、不安になったけど。
ミア先輩はまた、意地悪な顔を見せる。