A person who has fulfilled a wish
南雲
数日が過ぎ、相良はだんだんと学校に馴染んできた。
相良は人を近づけない様な雰囲気のオーラ...もしかしたら、金のメッシュや青い瞳のせいかあまり人が近づけないでいた。
いつも隣にいるのは錦で、持ち前の性格の明るさと話しやすさで周りの人々に輪を広げていき、相良に話しかける生徒がちらほらと出てきた。
俺や快斗は普通に相良に話しかける。
少し言葉は厳しいがちゃんと話してくれる。
放課後、快斗といつも通り帰っているとスマホを忘れたことに気づいた。
彗「学校に戻って取ってくるから快斗は先帰ってくれ」
快斗「おう!じゃあな!」
快斗に軽く手を振って学校に向かって走っていく。
今のペースで行けば校門は空いているはずだ。
教室に入る手前、教室から聞こえる話し声を耳にして入るのをやめた。
?「相良さん 人を殺したの?」
(...は...?...)
扉の小窓から中を覗くとそこには相良と隣のクラスの南雲 里紗の2人がいた。
南雲は学校一の美少女でいつも周りには男女が集まっているほどの人気者。
(なぜ2人が話しているのか?
相良が人を殺した?)
窓を眺めていた相良が振り返り長い黒髪と金髪が流れる。
その時視線があったような気がした。
相良「貴女も殺したでしょ?」
南雲「え....」
相良「自分を」
南雲「っ!」
南雲は唇を噤み下を見る。
相良「帰らせてもらうわよ」
そう言ってこちらに向かってくる。
ガラガラと扉が引かれて、動けずにいる俺を相良は見上げる。
南雲「....三神くん..?」
名を呼ばれて南雲を見ると驚きに顔を曇らせていた。
急に左手の袖を掴まれ相良に引っ張られていく。
結局スマホは取りに行けなかった。
だが、そんなことより2人の言葉が気になる。
彗「なぁ...聞いてもいいか?」
相良「何」
彗「教室の話...どういう事だ..?」
相良「他人の話を盗み聞きしといて質問するの?」
彗「それは謝る...」
相良「........」
相良は金髪に染まった髪を手に取り眺めると急に俺の目て視線がぶつかり合う。
彗「っ!」
青い瞳は鋭く俺を捉えるが、とても悲しい感じがする。
相良「三神はこの世界に
神様がいるとおもう?」
彗「かみ...さま...?」
相良「そう」
彗「俺は...」
口籠る...。
子供の頃は友達と「大きな翼が生えてる」や「空を飛んでいつも僕たちを見てる」とか、ふざけて話した時以来。
こんな事を面と向かって言われたのは初めてだ...。
俺の困ったのを見かねたのか相良は口を開いた。
相良「この世には神様がいる。
その神様はなんでも人の願いを叶えてくれる神様」
夕日に照らされる彼女の後ろ姿。
金髪の髪がより一層輝く。
相良「だけど....
願いを叶えるためには....
代償が必要」