アラシとナギのロールキャベツ
こうして、カエルたちはトノサマガエルを神輿に乗せて帰って行きました。


ゲロゲロ、ゲゲゲッ、モーモー、ゲロロ。
ゲロゲロ、ゲゲゲッ、モーモー、ゲロロ。
アラシとナギのくじ引きで、殿様決まった、ゲロゲロゲ。
やっぱりトノサマガエルがお殿様、鳴いて祝えよ、ゲロゲロゲ。


愉快な歌声がどんどん遠ざかる中、アラシとナギは食器を洗い始めました。


「ねぇ、お兄ちゃん。どうしていつもトノサマガエルが当たるのかな?」


「ああいうものはなるべくしてなるんじゃないかな。でも、僕はよかったと思うよ。だってトノサマガエルが一番礼儀正しいからね」


「また来年もロールキャベツを作らなくちゃね。今度はコンソメ味にしたらどう?」


「ナギ、それはいいね。でも、肉まんにしてみるのもいいよ」


「お兄ちゃん、それはいいわね。おにぎりって手もあるわよ」


そして二匹はあのカエルたちを真似して歌い出しました。


ゲロゲロ、ゲゲゲッ、モーモー、ゲロロ。
ゲロゲロ、ゲゲゲッ、モーモー、ゲロロ。
年の初めのくじ引きの、メニューはいろいろ、ゲロゲロゲ。
餃子にパイに、饅頭も、食べて祝おう、ゲロゲロゲ。


この歌を口ずさみながらの食器洗いは、不思議なほどはかどるのでした。
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