アラシとナギのロールキャベツ
それ以来、毎年お正月になると『うみのねこ』にはカエルたちがやってくるようになりました。
行列をつくり、あの歌を口ずさみながら、ぴょんぴょんはねてくるのです。


カエルたちは鰹節の入った袋を背負っているものですから、はねるたびに鰹節がカツンカツンとカスタネットのような音をたてます。
その音を聞くと、アラシとナギは「ああ、今年もお正月がきたな」と思うのでした。


そうそう、ヒキガエルがくれた残り二枚の小判はどうなったと思いますか?


アラシとナギはチョーカーに小判をつけて首飾りにしたんです。
ほら、今日も首元で小判がキラリと光っています。
それを見た客は口々に「ほら、あの綺麗な小判の首飾りをごらん。カエルのお殿様を決める猫の証だよ」と、褒めそやすのでした。


今日もまた、アラシとナギはエプロンをつけて忙しそうにしています。
トントンと何かを切る音がしますね。お湯がぼこぼこ沸き、油がジュワッと弾けています。
ほうら、二匹の笑い声とともに、なんだかいい匂いが流れてきました。


次はどんなお客さんなんでしょうね。
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