アラシとナギのロールキャベツ
「シダを踏み、猫のくじを、引きにきた」


ゆったりとした口調でダルマガエルが言います。


「100パーセントの確率で、今度こそ私がお殿様になるでしょう」


しれっと言うのはアマガエルです。


「なにを言うか。私だとも。もっとも、トノサマガエルがズルをしなければの話だ」


そう文句を言ったのは、ウシガエル。不満そうに「モー」と牛そっくりの鳴き声をあげました。


トノサマガエルは「やれやれ」と扇子をパタパタさせます。


「誰もズルなどしておらんというのに。困ったものじゃ」


けれど、他のカエルたちは口々に文句を言い、わあわあと喧嘩を始めました。
見かねたヒキガエルの忍者が止めに入ります。


「おやめください。さあ、席について。あとはアラシさんとナギさんにお任せしましょう」


ぴたりと喧嘩がやみ、ダルマガエルが「よかろう」と席に座りました。


「ここまできたんですから、誰がお殿様になっても恨みっこなしですよ」と、アマガエルも席につきます。


「もしズルをしたら上手投げをお見舞いするからな」と、ウシガエルが腰をおろしました。


「それでは、よろしく頼む」と丁寧にお辞儀をしたのはトノサマガエルでした。
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